多趣味で生きる者の雑記帳

現在は主にごちうさに対する想いについて書いています。

きらま2023年10月号掲載のごちうさを読んだ感想・考察

 こんにちは。気付けばきららMAX(以下、きらま)を購読し始めてから、今月で丁度3年が経っていました。3年前つまり2020年の8月、当時はまだごちうさに対して複雑な感情を持っていた状態から脱し切れてはいなかった頃で、そんな最中で「複雑な感情を解消する要因が、ごちうさの最新話を雑誌(きらま)で読む事にあるのではないか」と思った事が、きらまを購入する大きなきっかけでした。結果的に言えば、それは正に運命のターニングポイントとなり、以降ごちうさに対して複雑な感情を抱く事は無くなり、時に多少なりとも悩む事はあっても、己が培ったものに裏付けられた確かな意思を持つに至りました。

 そして、今となってはきらまだけでも多くの作品を嗜む様になり、きらま以外にもフォワード、キャラット、無印きらら、そしてコミック百合姫に、ウルトラジャンプもといジョジョの奇妙な冒険Part9(第9部)「The JOJOLands」と、きらま購読開始から3年の月日を経た現在、きらまを含めて6雑誌、作品数にして40作品前後を、毎月の様に購読すると言うのが恒例となりました。これに関しましては、私自身の趣味の1つであるクラシック音楽にて「それぞれの作曲家が紡ぐ世界観を堪能したい」と言う心意気があり、それをマンガに対しても適応したいと思っていた経緯があったので、今の状態は正に「私の理想を適えられている状態」なんです。

 因みに今でもクラシック音楽趣味は継続していて、最近ではまた嘗ての熱意が戻ってきてもいます。その中で最近のちょっとした楽しみとしているのは、ラジオとりわけFMにてクラシック音楽を流すと言う事。ラジオは凄く頻繁に聴取すると言う訳では無いのですが、何かと流す機会も結構あって、そんな時にクラシック音楽を聴取するのが楽しくて好きなんです。尚、別に「高尚な人に思われたいから」と言う理由で聴取しているのではありません。単に「好きだから」と言う理由で聴取しているのです。ただまぁクラシック音楽を聴いている事で、人から高尚に思われたら、それは普通に嬉しいでしょ?」と言われれば、それは図星なのですが......。人間やっぱり褒められたら嬉しいもんなんですよ。

 さて、ここからはまんがタイムきららMAX2023年10月号掲載のごちうさを読んだ感想・考察を書き出していきたいと思います。今回は智乃ちゃん達のクラスの出し物に焦点が当てられており、設定上戦慄に満ちた雰囲気だった前回とはうって変わって、雰囲気としては正に不思議の国のアリスを象徴するものになっていますが、今回は嘗て原作5巻における文化祭を思わせる、心温まる描写が度々あったので、かなり印象的なお話になっていたと思います。

 

※注意※

最新話及び原作11巻以降のネタバレを含むものなので、その辺りをご了解お願い致します。また、ここで書き出した推察や考察は個人的な見解です。

1.はじめに

 今回のお話は文化祭本番の続編と言う立ち位置にあたり、今回は智乃ちゃん達のクラスの出し物が主軸となっている。先月の千夜ちゃん達のクラスの出し物では、ホラー好きな千夜ちゃんの手によって中々な趣向が凝らされたお化け屋敷となっていたが、智乃ちゃん達のクラスでは割に不思議の国のアリスの世界観に忠実な設定となっており、先月が強烈だった分オーソドックス故の安心感がある。なので、今回はサスペンスホラー系統の雰囲気は鳴りを潜め、代わりにあるのは、嘗て原作5巻における文化祭でも重要な要素として機能していた「あったかもしれない日常」即ち「ifの世界線である。個人的な感触にはなるが、嘗ての原作5巻における文化祭であった要素を、今回の文化祭にも採用されていたのを見て、一種の「ノスタルジー」をも感じてもいる。

 今回の扉絵は、嘗てのチマメ隊の3人が手を取り合った状態で、各々ポーズをとっていると言うもので、一見した雰囲気は高校生の青春を思わせる感じだが、背景にあるトランプや、手前に描かれている鍵や装飾品を思うと、これもやはり文化祭の延長線上にあると思わせられる。ここまで来ると、最早特段不思議に思う事も無くなってきたチマメ隊3人組の組み合わせではあるが、高校生となった現在は智乃ちゃんとマヤメグで別の高校に通っている為、抑々論として中学生時代の3人組から付けられたチマメ隊の図式とは根本から違う訳で、その意味では「懐かしい」と言えばそうである。尤も、この3人組を見て「チマメ隊」と思い浮かんでいる時点で、3人共高校生になった今でも「この3人が揃えばチマメ隊と思っている現状がくっきり浮かぶので、懐かしいもなにも「過去のイメージのままなんだから、そうなるのは当然」となってしまう運命だろうが......。何を言っているのか良く分からなかったらすみません......。

 今月号は先月号に引き続いて文化祭本番の流れがあり、今回智乃ちゃん達のクラスに焦点が当たったのは、先月号終盤の流れを鑑みれば至極真っ当と言える。ただ、一方で先月の感想・考察記事にて私は「この文化祭は、色んな意味でちゃんとして心して読み進めないといけない」と称し、実際に先月号では千夜ちゃんの戦慄に満ちた演技をはじめとして、私の想定した意図とは別物であったとはいえ、心して読まないと思わずショックをうけかねない様な描写はあった。しかし、今月号ではその「心して読み進めないといけない」と言う意味が、完全に良い方向になっており、それはごちうさらしい心温まるお話を全力で受け止めるべき」と言うものである。

2.購読した感想・考察

 

今月の内容に対する感想・考察

 まずは「今月号の中でも特に深掘りしたいと思った内容」から書き出していきたい。今回はチマメ隊3人組の、中学生時代から変わらない3人の友情を色濃く反映した描写が何より印象的だが、それをお膳立てしたブラバ組の尽力と言うものも見逃せないだろう。

嘗てと変わらぬ友情とifの世界線

 最初はチマメ隊が見せた「昔と変わらない友情」について書き出したい。抑々チマメ隊と言うのは、ノ、ヤ、グ、それぞれの名前の頭文字から理世ちゃんが命名したものであり、中学生時代の3人を象徴するユニット或いは小隊*1を指す。その為、3人共高校生となった今では、中学生時代とはまた違った意義若しくは構図を持つ事になると考えても何らおかしくはないのだが、個人的には今でも「今も昔も3人集まればチマメ隊と言うイメージは強くある上、チマメ隊自体も「3人の固き友情の象徴」とも言える概念にまでなっているので、四の五の言う必要性は最早なく、何時までもチマメ隊の名を大切にしていきたいと、思っているのが一番良いのかもしれない。それが絶対的な正解かどうかは分からないが、少なくとも自分はそう思う。

 そんなチマメ隊だが、今回は中学生時代と何ら変わらない3人の友情が色濃く表れており、そのまま昔の中学生時代を思い浮かべる懐かしい雰囲気を漂わせている。とは言っても、今の彼女達は成長著しい高校生である為、中学3年生時代ならともかく、それ以前ならまず見る事は出来なかったであろう一面を、智乃ちゃん中心に見せているので、図式としては嘗てのものでも、今と昔では意味合いが違うとまざまざ感じさせられる面もある。とは言っても、それが成長する事なのだから、寂しいとばかり言っていられないのもそうである。難しい所ではあるが、昔の友情を大切にしている事、その中でも成長し続けている証が浮かび上がっている事と言う2つの観点を鑑みれば、自ずとどうするべきかは分かってくるものだろう。

 今回のチマメ隊の図式は、そのまま嘗て原作5巻における文化祭にて描かれていた「あったかもしれない日常」を彷彿とさせており、もしもチマメ隊が心愛ちゃん達の学校に皆して通う事になっていたらこうなっていたのだろうと、しみじみ思わせてくれるのが良き所である。ただ、現実問題としてチマメ隊の3人には、3人共に今の学校に望んで通う決意をしていると言う大前提があり、唯一麻耶ちゃんだけは、学校がバラバラになる事に憂う面も見せていたものの、理世ちゃんをはじめとした周りの人物の後押しもあって、しっかり自分の意思で自分の道を切り拓いた過去がある為、この様なお話を見ると、3人の意思はきちんと尊重するべきだと理解しているとは言え、心のどこかではやっぱり「ifだけに留まらず、実際にこうなっていたらなぁ......。」と、ちょっとした寂しさを募らせるのも正直ある。

 でも、最後にはやっぱり「ifはifだから良いんだ。この3人は自分達の意思で、自分の進むべき道を切り拓いたんだ。それはきちんと尊重されなければならない。」と思える。何故なら、彼女達だって「3人共に一緒なら」と考えた事は想像に難くないし、その上で「別々の道を歩む決断をした」と言うのだから、それを思えば、個人的な感情で四の五の言うのはやっぱり違うのではないかと思わされるから。これに関しては、人によって考え方は正に多種多様だと思うが、私はやはり「3人の意思を尊重する姿勢」であり続けたいのである。

 思えばチマメ隊の高校生になった際の呼び方に関して、原作10巻にてブラバ組に対抗して「ラビハ組」と言うのが存在している事を、この小題を書き終えてから思い出した。なので今現在はチマメ隊の事をラビハ組と称しても良い事になるのだが、私自身この小題を書いている時は、ラビハ組と言う呼称がある事をすっかり忘れてしまっていた。その為、今回智乃ちゃん、麻耶ちゃん、恵ちゃんの3人をラビハ組ではなくチマメ隊と称したのは、私の中ではそちらの方が馴染み深かったと言う事の証明にはなっていると思われる。尤も、単純に「ラビハ組と言う呼称を君が忘れていただけだろ?」と言われれば、全くもって「はい、その通りです。どうもすみませんでした......。」としか言えなくなるのだが......。

粋な立ち振る舞いを見せるブラバ組

 次にまたしても粋でカッコ良い立ち振る舞いを見せてくれたブラバ組について書き出したい。ブラバ組と言うのは、ブライトバニーにてアルバイト勤務をしている冬優ちゃん、ブライトバニーの社長令嬢の神沙映月、神沙夏明の計3人から成るグループであり、ラビハ組(チマメ隊)とは良きライバル関係兼友好関係と言った立ち位置にある。内気ながらも成長著しい冬優ちゃん、おっとりしつつも芯は強い映月ちゃん、しっかり者でいて実は内弁慶かつ繊細な所がある夏明ちゃんと、性格や性質がラビハ組と共通している点が多いが、個人的には「似ているとは言っても同じと言う訳ではない。」と思っており、ブラバ組にはブラバ組の事情があり、個性があると思っている。ある意味でジョジョの奇妙な冒険Part1~Part6の世界線と、Part7以降の世界線との関係性にも似ているが、こちらは前者と後者では世界線そのものが別物*2である。

 そんなブラバ組だが、今回の文化祭ではチマメ隊(ラビハ組)の為に一役買って出ており、またしても粋なカッコ良さを読者に見せ付けている。またしてもと言うのは、ブラバ組には以前にも海シスト編にて、アルバイトのシフトの関係で皆の予定が合わず、一時は皆でシストを探求する事自体が困難な状況になっていた最中に、自分達がシフトの代替を買って出て、結果的に皆を送り出す大きなきっかけを作った過去があったからである。

 今回の文化祭では、他校の生徒も来校できる文化祭と言う場を活かして、チマメ隊(ラビハ組)3人で文化祭を楽しんでもらうと言う計画を冬優ちゃん主導で立てていたが、クラスメイトの予期せぬダブルブッキング*3によって、その計画が危うく破綻しそうになった事に発端がある。これに関しては、人間なら誰しもあり得るミスなので、それ自体は致し方ない側面はあるが、これにより外部の助けなしでは計画の遂行は実質不可能と言う状態に陥る。だが、その様な状況の中で助け舟を出したのが、他でもないブラバ組の一員である神沙姉妹の2人であり、冬優ちゃんが立案した計画を完遂させる為、本来ならば来客と言う立場でありながら、ラビハ組3人の為に文化祭の出し物の働き役に買って出たのである。更に言うと、そこにはリゼシャロ2人の後援部隊付きでもあり、一丸となってラビハ組の為に尽力する友情と言う構図は、正に粋なカッコ良さを体現していると考えている。

 この様に粋なカッコ良さを持つブラバ組だが、肝心の接客に関しては不安要素を募らせており、何と言うか「相変わらずだなぁ......。」と思う所ではある。ただ、見方を変えれば「自分達の不安要素にも臆せず、ラビハ組の為に尽力する決断をした、仲間想いの3人組」とも言え、肝の部分に不安要素がある事は、絶対的な尺度としては如何ともし難いとはなってしまうが、自分達が抱える不安要素に流されず、友達でもあり、恩人でもある人達の為になら、是が非でもと行動できるカッコ良さと度胸強さを持っている事は間違いないと言えよう。

 

今回の内容について思う事

 ここからは主観的な展望や想いを強めた内容を書き出していきたい。今回は時間の都合上簡潔にまとめたいと思うが、その想いの強さは今でも決して無くなってはいないので、その事を忘れずに書き出していきたいと思う。だが、実際に書き始めてみると、最近の私が読んでいるマンガの雰囲気に影響を受けた内容が多くなっている気がしてならないが......。

心温まる内容の文化祭篇

 まずは今月号の印象について書き出したい。今月号は先月号から始まった文化祭の続きと言った所であり、2回目ともなると説明もそこそこにいきなり本題から入っている。今回は智乃ちゃん達のクラスの出し物に焦点が当てられているが、前回と違うのはそれで1羽の大部分を割く訳では無く、クラスの出し物のくだりから、チマメ隊(ブラバ組)のあったかもしれない日常に繋がっている点であり、出し物にしてもオーソドックスな設定である事も相まって、今月号のごちうさ全体的にほのぼの心温まる雰囲気をしており、先月号の様な緊張感溢れるくだりはほぼ存在しない。また、懐かしさと心温まる雰囲気を感じ取れるのも今月号の特徴であり、ごちうさが持つ「温かく優しい雰囲気」を、ここにきて大いに体現している。

 今回は全体的に過去の文化祭(原作5巻)のセルフオマージュを感じさせる展開が多く、色々と懐かしい感触にもさせてくれる。それを象徴するのが「チマメ隊(ラビハ組)による『あったかもしれない日常』」であり、これは嘗て高校生組4人*4が、もしも皆が心愛ちゃん達の学校に通っていたらと言うものに発端がある概念であり、今回はそれをラビハ組3人で体現してくれたと言う格好である。これに対する私自身の感触は前述した通りだが、こうやって「ifの日常」を断片的に、前向きな形で見せてくれる事は、今思えば大変に幸せな事だと思う。だって、ifの日常と言うからには、そこには幸せも不幸せもあって然るべきであり、ごちうさでは常に前向きかつ希望を持たせてくれる形での「if」を描いてくれているので心配は要らないと思うが、場合によっては絶望の淵に容赦も慈悲も無いまま叩き落としにかかり、そこではどうしようもない程に負の感情と不幸の境遇にまみれた、正に地獄の様な「if」に直面するかも知れないのだから......。まぁ、こんな怖い事ばっかり書いても仕方ない気もするが、もし本当に地獄の様な「if」に直面した時は、恐らく「自分の想像など、本物の前には甘過ぎた......。」となり、どれだけ予防線を張ろうとも、圧倒的な世界観の前では正に無力な事を、否が応でも思い知らされるのだろうが......。

 前述した様に今月号は、先月号の様な戦慄と緊張感走る展開は鳴りを潜めているので、サスペンスホラー系統の雰囲気を好む私にとっては「今月号はサスペンスホラー系統の雰囲気が無いから、心温まる話に満足とは言え、ちょっと寂しいかも。」と言う感情を心のどこかで抱いている。無論、ごちうさは本来日常系であってサスペンスホラーでは無いので、先月号の雰囲気が特殊だった事は解っている。ただ、サスペンスホラーが持つ雰囲気に魅了されている私としては、その様な寂しさも無い訳では無いと言う事で。因みにサスペンスホラーと言うのは、マンガの感想において私が、不気味若しくは恐怖に思う感情を表現する上で何かと使いたいと思う表現の1つでもあり、他の表現としてはハードボイルドやブラックユーモアと言うものもある。尤も、実際にそう書き記しているケースはあまり多くないのだが、そう遠くない内にそうも言ってられなくなる感触がしてならない。まぁ、高い緊張感に支配され、先の読めない展開が魅力と恐怖をもたらし、えげつないまでの心理描写がこれでもかと盛り込まれたマンガを多く読んでいるので、そりゃそう思うでしょとしかならんだろうが......。

波乱の予感の文化祭

 次に今月号終盤の展開について思った事を書き出したい。今月号終盤では、先月号最後の展開に倣って、次回にお披露目されるであろう心愛ちゃん達のクラスの出し物に関して、緩やかな繋がりを意識させる描写がある。だが、そこの描写は正に「ドタバタ劇」と言うに相応しい内容であり、なまじ中盤までが懐かしさと「ifの可能性」を示唆した心温まる展開だっただけに、そのテイストの違いには驚かされる。コメディの観点から見れば面白いが、今月のきらまを読んでいく中で、火力も破壊力もえげつなく強いハチャメチャ描写と出逢っているので、爆発力はそちらに譲ると感じている。尤も、ごちうさには安定的な面白さがあり、それが良い所なのだし、抑々笑いや面白さの好みは人によって全く違うのは当然の摂理だが。

 そんなドタバタ展開以外にも、心愛ちゃん達のクラスの出し物が成立し得なくなると言う危機的状況を象徴するかの様な、どう考えても悪い前兆を予感させるテンプレートとも言える、緊張の汗をかきつつもなんとか明るく振舞おうとする心愛ちゃんや、普段のイメージからは中々に想像できないアクセサリーを付けて、文化祭の雰囲気に完全に馴染んでいる上に、そのアクセサリーが思いの外凄く似合っているタカヒロさんと理世ちゃんの親父さん等、次から次へとやって来る展開の忙しなさも加わり、終盤の展開は中々にカオスな様相を醸し出している感触がある。何と言うか、まさかここに来て初期の様なカオス展開を目撃する事になるとは正直思ってみなかった*5ので、時間が経てばたつ程じわじわ驚きが増していく感覚を覚えるが、それはこういう見方をする事も、時には大切だと言うおぼし召しだろうか。多分そんなんではないとは思うが......。

 こうもドタバタ展開が終盤にかけて続くと忘れそうになるが、やはり気になるのは「心愛ちゃん達のクラスの出し物」である。これまで千夜ちゃん達のクラスが「不思議の国のアリスをモチーフにしたお化け屋敷」、智乃ちゃん達のクラスが「不思議の国のアリスに登場する一幕を舞台にした喫茶店」と来ているので、この2つとは違った角度から来るとは思いたいし、実際に今月号終盤のドタバタ展開を見るに、心愛ちゃん達のクラスの出し物は「心愛ちゃんが手品を披露する」と言う場面が入っている様なので、恐らくは2人のクラスの出し物とは異なるテイストを持っているだろうし、心愛ちゃんが手品を披露する回は、往々にして何か重要な意味を持つ事もあったので、次回の展開が非常に楽しみである。

 

3.あとがき

 以上がきらま2023年10月号掲載のごちうさを読んだ感想・考察である。今回は文化祭の直接的な続編であり、前回の千夜ちゃん達のクラスの出し物を1羽分かけて描かれた流れを踏襲する形で、智乃ちゃん達のクラスの出し物を丁寧且つ懐かしみを感じる様に描かれているのがポイントである。となると、次回は心愛ちゃん達のクラスの出し物を1羽分かけて描いてくれるであろうと言う期待が生まれるものであり、今回は前回の期待に見事に応えてくれるものであった為、その期待はかなり大きいものがある。

 今回は千夜ちゃん達のクラスの出し物から感じられる「オーソドックス故の安心感と良さ」と、原作5巻の文化祭を代表する「あったかもしれない日常」を思わせるとともに、中学生時代と何ら変わらない友情と関係性を見せてくれたチマメ隊(ラビハ組)3人が印象的である。その為、サスペンスホラー或いはサイコスリラーさえも思わせる異質な雰囲気があった前回とはうって変わり、何時ものごちうさを思わせる日常的な雰囲気に、懐かしさを感じさせる心温まる展開と言った印象が強く、時には時の流れを経るごとに、友達が過去と比べて大きく前向きに変遷しゆく事に対して、ちょっと寂しさを覚えるくだりもあるが、それも含めての成長と思えば、寂しさはあっても受け容れる事は割に容易い。時と場合によってはそうではないかもしれないが......。

 今の私は前述した様に6雑誌を毎月の様に購読している訳だが、きらまの場合コミック百合姫と、ウルトラジャンプとの発売日が非常に近い*6事もあって、ウルトラジャンプを読むタイミングは基本的に決まっているものの、きらまとコミック百合姫「どっちを先に読もうかな。」と、読む順番に関して悩む事がある。発売日を考えるなら、コミック百合姫を先に読むのが順当なのだが、コミック百合姫は言ってしまえば「これはしんどいよぉ......。」となる展開が描かれる事も多く、しかもその度合いが質と量、両方の観点から「油断してかかると確実に痛い目を見る。読む際には一種の『覚悟』を持ってから読まなければならない。」と、僅か2カ月足らずで思い知らされている程である為、百合姫にもコミカル且つ楽しい展開が描かれる事は、当然の事ながら山の様にあるとは解っているとは言え、シリアス展開もといしんどい展開のインパクトが半端なものでは無い事から、心の負担のバランスを上手くとる為にも、今後もコミック百合姫を読み続ける為にも、割と真剣に悩む事もしばしばある。

 ただ、コミック百合姫が雑誌全体の傾向として、時にしんどい雰囲気を内容した作品がどうしても多くなる事があるとは言っても、可能性自体はきらまでも同じ事が言える訳であり、実際私自身も「きらまの方を先に読んだら、きらまによってしんどい思いに遭った。『きらまなら大丈夫』と思っていたのが大きな間違いだった。」となる事も想定はしている。なのでそれを思えば、読む順番がどうのこうのと言うのは実はそれほど重要ではなく、本当に重要なのは「それぞれの雑誌の傾向を掴み、予めどの様な心構えをするべきなのかを模索する事」なのだと考えている。大仰(大げさ)かもしれないが、私にとってコミック百合姫とは、確かにしんどい展開にビビる事もあるとは言え、百合の魅力が多分に内包され、女の子同士の想いとは何かを見せ付けてくれている存在なので、百合好きとして百合姫は今後も是が非でも読んでいきたいのである。

 今回は小題によって書く内容のふり幅が大きく、内容自体も時間の関係でコンパクトにまとめたが、内容そのものに熱を込める事には変わりはない。これに関してはきらまを購読し始めて3年、ごちうさの感想・考察ブログにしても連続して2年以上書き続けている今でも決して無くならない想いである事をもって、この感想・考察記事の締めとしたい。

 

 

おまけ

今回の文量は400字詰め原稿用紙のべ26枚分である。今回は時間の都合上急ピッチで書く必要があったのだが、書き終えてみた所、前回とほぼ同じ文量になっていたので、結果的に本気を出せばこれ位早く書けるのだと思った。色んな意味で大変にはなるが......。

また、今回の記事ではチマメ隊(ラビハ組)と言う様に、チマメ隊若しくはラビハ組を書き表す際に、両方の表記を使う様にしているが、これが途中からになっているのは、記事を書いていく上で「どのタイミングで私がラビハ組の呼称を思い出したのかを明確に残しておくため」である。

*1:命名者の理世ちゃんが軍人気質である事から、彼女自身何かとそういう区分けをしたがる一面があるに由来する。ただ、最近ではそういう一面はあまり見なくなったが。

*2:所謂「パラレルワールド」であるが、厳密には非常にややこしく複雑な関係性である。

*3:その理由に関しては、嘗て原作5巻における文化祭のそれを彷彿とさせる。

*4:心愛ちゃん、理世ちゃん、紗路ちゃん、千夜ちゃん4人の事。学生組は現在全員高校生以上なうえ、理世ちゃんは大学生である為、チマメ隊と違って今では定義を限定しないと、昔の意味では通じなくなっている。

*5:尤も、最近のごちうさもドタバタした展開自体はあったと思うが、如何せん私にはその様に感じる機会が少なかった事が起因している。恐らくドタバタ展開慣れ(?)しているのが大きいのだろう。

*6:きらまが毎月「19日」発売が基本なのに対し、百合姫は毎月「18日」発売が基本である。ウルトラジャンプに至ってはきらまと同じ毎月「19日」発売が基本である。