多趣味で生きる者の雑記帳

現在は主にごちうさに対する想いについて書いています。

きらま2023年5月号掲載のごちうさを読んだ感想・考察

 こんにちは。この度3月中旬に「ジョジョの奇妙な冒険 アニメ10周年記念展」の名古屋会場に行ってきまして、そこで制作陣や声優さんのジョジョにかける熱い想いを拝見し、思わず「嗚呼、ジョジョを好きになって良かったッ!」と思いました。また、最近ではジョジョの奇妙な冒険のテレビアニメで使われているEDの影響から、プログレッシヴ・ロックやガレージロックにもハマりつつあり、特に「Yes」や「The Bangles」はお気に入りです。尤も、こんな調子故に「私は一体どこに行こうとしているのか......。」となっていますが、私が向かう先は多分「あらゆる分野を嗜むオタク若しくはマニア」だと思います。断定はできませんけど......。

 また、最近度々思うのですが、ジョジョは作風上結構おぞましいシーンも多く、場合によっては普通にトラウマになりかねない衝撃と破壊力を持つものもあるのですが、これらに対しては恐怖意識を抱いても、何だかんだ言って見返す事もできます。なのに、きらら系作品においてトラウマに感じる様な事があった場合、恐怖心によって見返したくても見返せなくなる事が度々あるのは何故なのでしょうか。トラウマになるレベルの強さで言うならジョジョの方が基本的に上なのに、この不釣り合い感が何だか怖いんですよね。まぁ、トラウマ耐性自体はかなりある方なので、特段の心配は要らないんでしょうけど。

 さて、今回はまんがタイムきららMAX2023年5月号掲載のごちうさ感想・考察を書き出したいと思います。毎度ここまで連続して書き続けていくと、次第に当該作品がどの様な段取りを取りつつ進行するのか、単行本で言う所の序盤、中間、終盤には大体波が立つ展開が待っている事が多いとか、基礎的な事は分かってくるのですが、1つ1つがどの様な構成でやって来るかについては正直全く分からず、今回もその内容には色んな意味で驚かされました。そう思うと、毎月書き出していくのって、結構良い事なのかなって思ったりはします。勿論、大変な事は大変ですし、最近ジョジョを始めとして、多くの好きなマンガを同時並行で読んでいる上、こなさなければならない事も以前より確実に増えている事から、ごちうさに割いている時間は正直めっきり減っているので、決して安泰ではありませんが、可能な限り突っ走り続けたいとは思います。

 

※注意※

最新話及び原作単行本11巻以降のネタバレを含むものなので、その辺りをご了解お願い致します。また、ここで書き出した推察や考察は個人的な見解です。

1.はじめに

 今回のお話は主にお嬢様学校高校1年生組に焦点が当てられ、内容は原作で嘗て取り上げられた事のある「演劇」が軸となっている。そして、演劇には必要不可欠な、身体を存分に使った表現力に優れている恵ちゃんと映月ちゃんが、一つの椅子をめぐって華やかながらも熱意溢れるバトルを繰り広げると言う、要素としてはごちうさと親和性が高いながら、その表現は今までのごちうさとは一味違う構成はポイントであり、特に普段はおっとりしている2人が、まるで別人の様に闘争心を剥き出しにしていた部分*1はある意味必見である。

 今回の扉絵は、ファンタジックな雰囲気を色濃く表した様な装いをした恵ちゃんと映月ちゃんが、絵の中に散りばめられた額縁を超えて2人で手を寄せ合わせていると言うもので、その美しさは最早言う事無しだが、私自身相変わらず絵画には明るくない上、正直雰囲気重視の見方故に自分で感じた事を言語化するのがかなり難しい為、これ以上の言及は難しいのが実情である。尤も、感想はシンプルに「恵ちゃんと映月ちゃんがとにかく可愛い」と言っても、そこに強い気持ちがこもっていれば立派に成立するものだし、抑々感想自体むやみやたらに難解な事を書き連ねればいいってものでも無いので、これで御勘弁願いたい所である。

 今月号も「新たな日常の一部」としてのニュアンスが濃い回であり、これは先月号及び先々月号もそうだったので、これがある意味新たなデフォルト的な所はあると思われるが、なまじ原作10巻、11巻が中々に衝撃の強い回が少なくなく、それに伴い作品に対するイメージも「日常系」から大きく変化した為、正直に言うと戸惑いもなくはない。ただ、同じ作品でも時間の経過とともにニュアンスや作風が変化していく事はある意味必然の理であり、その変化が新しい風を巻き起こす事を思えば、戸惑いがあってもついていくのを断念すると言う発想にはならず、寧ろ「ここまで追いかけてきたのだから、これからもずっと追って行こう」となるのが私のサガなので、余計な心配は要らないのだろう。尤も、それだけでどうにかなると思ったら、いくら何でも我ながら見通しがあまりにも甘すぎるとも思うが、人生時には只管楽観的に考える事も、精神的な負担を考えるなら必要な事である。

2.購読した感想・考察

 

今月の内容に対する感想・考察

まずは「今月号の中で特に深掘りしたいと思った内容」から書き出していきたい。今月号は今までにない展開や美しさが魅力的だったので、ここでのテーマも比較的熱意をもって書き出せると考えている。尤も、そう書くと「普段は熱意を込めていないのか?」と詰問されかねないが、あくまで普段から熱意はそれなりに保っており、今回は普段よりも少しばかり溢れていると言うだけの話であるし、もし本当に熱意がないのなら毎月の様に記事を書いていないとは言っておきたい。

熱意から見える信念とリスペクト

 まずは今月号を見る上で特に目を見張るものがあった「恵ちゃんと映月ちゃんがそれぞれ持つダンスに対する熱意とリスペクト」について色々と書き出したい。抑々この2人は嘗て原作8巻の旅行編において、お互いに面識があまりない状態ながら、ダンス勝負で正に互角の闘いを繰り広げた事があり、故に2人共にダンスの実力はかなり高い上、おまけに2人共に感受性が高く、その高い感受性を表現する力もそれ相応に持っていると、色んな意味で芸術的表現に対してハイスペックな一面がある。今月号ではその2人の高い実力を推薦する形で、麻耶ちゃんは映月ちゃんを、夏明ちゃんは恵ちゃんを演劇部の助っ人に推し、その助っ人1人の椅子をかけて、2人がダンスに対する熱意をバチバチに光らせると言うのが下地にあり、言うならば「お互いに負けられない闘いが、そこにはあった」と言う訳である。

 ただ、恵ちゃんも映月ちゃんも共通して言えるのは「おっとりした性格で争い事を好まない」と言う点であり、事実恵ちゃんと映月ちゃんは、お互いに素直になれない性格である事、本心を突かれる事を何よりも恥ずかしがる事、自分の主張を強硬に曲げようとしない事、2人共にどちらかと言えば好戦的で勝気な面が強い事から、正に「ケンカする程仲が良い」を地で行くまでに、何かにつけて言い争いやケンカをする*2麻耶ちゃんと夏明ちゃんとは対照的に、ケンカはおろか、ちょっとした言い争いをする事もまずもってなく、普段からそのおっとりした雰囲気を存分に発揮した立ち振る舞いを見せており、お互いに波長もよく合う事から、良くも悪くものんびりしたマイペースコンビと言う印象が強くある。

 そんなマイペースコンビの2人だが、今月号では2人共に周りの後押しや仕込み(特に心愛ちゃん)があったからとは言え、お互いに得意としているダンスをめぐって、普段のお淑やかな雰囲気からは凡そ想像できないまでに熱意に溢れる姿を見せ付け、その熱意溢れる姿たるや、まるで「2人が持つ精神的な力が、そのまま表立って現れた」と思わんばかりのものであった為、それをして私は「これは一種のスタンド(幽波紋)バトルだッ!」と、最早清々しいまでにジョジョの影響をもろに受けた見解を思い付いたものである。尤も、もしスタンド使いになる可能性があるとするなら、良くも悪くも気性が激しめな麻耶ちゃんと夏明ちゃんの方が高い気がしない訳でも無いが、これはあくまで「私がそう思っただけの事」である為、想像は個人の自由と言う事で悪しからず。

 話が脱線したが、これらの事実から私は恵ちゃんと映月ちゃんには、2人共ダンスに関してはお互いに決して譲れないものがあることと、2人共ダンスもとい表現美に対する信念は篤いものがあると言う事を見出しており、前者に関しては、発破をかけた当事者として、2人の仲に亀裂を生じさせたのではないかと心配で様子見をしていた麻耶ちゃんと夏明ちゃんを、思わず震え上がらせるまでの圧倒的熱意溢れるダンスバトルがそれを物語っており、後者は「自分が得意とする『身体表現による芸術美』をもって、多くの人を感動させられるだけの存在になりたい」とも言える様な、助っ人としてやるからには全力を尽くしたいと言う、中々に熱い信念が見え隠れしていると考えている。

 また、見逃せない点として恵ちゃん、映月ちゃん共にお互いリスペクト意識が高い事で、バトルと言う性質上、多少なりとも相手の事を挑発したり、お互いに負けん気を強めたりするのはある意味当然の成り行きだが、それと同じ位に2人共お互いの技量を認め合うくだりが多い印象があり、勝負事ゆえに譲歩はしないのは前提として、熱意溢れる姿を見せつつも、お互いに技量を素直に認め合えるのは、個人的には凄く良い事だと思う。因みに最終的にはダブル主役と言う形で、恵ちゃんと映月ちゃん共に助っ人として推薦してくれたと言うオチになっており、2人が如何に熱いものを持っていて、それが如何に甲乙つけがたいものだったかを物語っている。

 もっと言えば、今回2人が見せた熱いダンスバトルは、勝手に推薦した麻耶ちゃんと夏明ちゃんを驚かさせると言う目的もあった様で、つまり半分演技が含まっていた事になる訳だが、作中を見る限り全くそうは見えず、それがある意味一番怖い。普段麻耶ちゃんと夏明ちゃんがやっているケンカが全然可愛いものであると思うには十分であり、2人共にその演技力の高さに思わずビビるのも納得ものである。

後押しする仲間達

 次に恵ちゃんと映月ちゃんがダンスバトルをする後押しをした仲間たちの動向について書き出したい。これはお互いに演劇に推薦されたからには役を全うしたいと言う気持ちがありながら、椅子に座れるのは1人だけと言う事実に対して、どうすれば良いのか分からず、どこか煮え切らない気持ちがあった2人を後押しした、ラビットハウス組と甘兎庵組の軌跡についてであり、ラビットハウスに相談したのが恵ちゃん、甘兎庵に相談したのが映月ちゃんとなっている。

 細かくは違っているものの、どちらも共通しているのは「2人共に1つしかない椅子に座る事に躊躇いはありつつ、勝負自体はしたいと思う本心があった事を周りが見抜いていた事」であり、流石は気の知れた仲だと思うばかりだが、その様にして周りの人達が上手くお膳立てをして、当人達にとってより良い結果になる様に考えてあげる事が、こんなにも良い事なのかとも思う。

 ただ、この場面は今月号の中でも思わず謎に思う若しくは「えぇっ......。」に思うくだりが多く、とにかく展開のふり幅が大きい事がそう思う理由なのだが、一番そうなったのは、恵ちゃんの本心を知った心愛ちゃんが、恵ちゃんに対して本来経るべき過程を殆どすっ飛ばした提案をした場面であり、これには「これ、キング・クリムゾン*3によるスタンド攻撃?」ともなったが、心愛ちゃんは良くも悪くも大雑把な所があり、この様な提案はある意味彼女の十八番的な所がある為、作中の人物は恵ちゃんの挑発的な予告文章を見て、皆(冬優ちゃんでさえ)直ぐに心愛ちゃんが仕組んだ事だと気付いたと言うオチである。皆、心愛ちゃんの特性が解っていると言うのか何と言うのか、それ自体は仲睦まじいと言う事で収まるのだろうが、経るべき過程をすっ飛ばすと、相手からとんでもない誤解を受けたり、明らかに「説明不足」だと窘められたりする危険性がある為、ここは普通にお灸を据えた方が良いのではないのかとも思うが......。

 因みにこの場面では多くの人物が他の自分になり切るつまり演技する場面が度々出て来ており、総じて演技力もそれなりに高い為、なるほど木組みの街の住人達は演技力も一定以上のものがあるのだと思う。ただ、これも良い見方をすれば「多種多様な個性を持った自分を演じる事ができる」となる一方、悪い見方をすれば「自分を偽り隠し通せてしまう」となる為、そう楽観的に捉えらえる様な事でも無いとなってしまうのも実情である。しかしながら、普段から圧倒的に演技する事が少なく、一見すると自分を明け透けにしている様に感じられるが、その実本心がどうなっているのか窺う事が難しく、結果的に何を考えているのか、実の所一番よく分からない心愛ちゃんの方が、演技している人達よりも実は遥かに恐ろしいのではないかとさえ思ってしまう。尤も、彼女達には明確な「信頼」と言うものがあり、その信頼はちょっとやそっとの事では最早ビクともしないものにまでなっている為、そこまで心配する必要は無いかも知れないが。あくまで「そういう火種が誕生する可能性もある」と言う話である。

 

今回の内容について思う事

ここからは主観的な展望や想いを強めた内容を書き出したい。ここまでくると最早様式美になってくるが、何時もと変わらない様に進めていく事も大事だと思う。

美しき闘いから見えるもの

 まずは今月号の印象について書き出したい。今月号はお嬢様学校の高校1年生組に焦点が当てられている為、全体の雰囲気としてもどこか華やかな印象が強く、それは恵ちゃんと映月ちゃんによるダンスバトルにおいても例外では無かったと感じている。更に言えば、元々恵ちゃんも映月ちゃんも、おっとりした淑女と言ったイメージが強い人だが、その2人が普段の雰囲気とは真逆とも言える「闘争心を剥き出しにしたダンスバトル」を見せ付けたその姿は、美しき2人による美しくも熱い闘いと呼ぶに相応しく、華やかさと美しさ、そして闘志を燃やすかっこよさを兼ね備えたその姿は、正に「演技派のお嬢様」だったと思う。

 尚、淑女同士がちょっとしたバトルをちらつかせると言う構図は、幼馴染でありながら特異的な雰囲気を持つリゼユラが印象的だが、こちらはお互いに辛辣とも皮肉ともとれる言葉で牽制し合ったり、時には多少過激な応酬が繰り広げられたりと、お世辞にも美しき闘いとは言えないものであり、特に原作7巻においては、屈強なボディーガードらしき人物を多少なりとも圧倒させる程の牽制合戦を繰り広げた事もある程。その為、同じバトルと言ってもその質は全く別物と言え、故に美しき闘いと言えば恵ちゃんと映月ちゃんの右に出るものはいないと思う。

 また、夏明ちゃんが恵ちゃんを、麻耶ちゃんが映月ちゃんを推薦した事実や、ダンスバトルを通じて親睦を深めていくメグエル2人の姿を見て、多少なりとも「嫉妬」*4の感情が芽生えていたのもポイントだと思っており、前者に関しては結果論にはなるが「お互いに身内びいきはしない」とも見て取れる為、一概に悪い訳では無いが、それでも「自分にとって一番身近な存在からは推薦されたかった」と言う感情を浮かび上がらせ、後者は結果的に麻耶ちゃんと夏明ちゃんが如何に相性が良く、息が合うのかをハッキリさせた為、嫉妬からこの様な人間関係の良さを露呈させるテクニックは本当に凄いと思う。

変化と不変の日常

 次は今月号ひいては先月号、先々月号のごちうさを読んできた中で、純粋に私が思った「移り変わりながらも変わらない日常について思った事」を書き出したい。これは前提として、きらま2023年1月号、2月号に掲載されたごちうさのお話が骨格を成している事、今のごちうさが嘗てと比べて人間物語的な側面を強めている事に伴い、登場人物の迷いや葛藤、そして成長が色濃く描かれる様になったと言う解釈を私がしている事をご了解願いたい。

 ここから本題に入る。抑々私がこの様な事を思った背景には、前述の通り最近のごちうさが日常系と言うより人間物語的な側面が強くあると感じた事が発端であり、その例は枚挙に暇はない程である。そして、その様な話を見るにつれて、徐々にごちうさを日常系としての感情を抱く事が薄くなり、2023年1月号及び2月号では、ティッピーの中に居たおじいちゃんが遂にサキさんに導かれた事で、智乃ちゃんとしても大きな覚悟を背負い込んだ事から、ごちうさをシリアスな視点で見る事が半ば必須事項だと思う様になり、それ故にそれ以降のお話も、程度の差はあってもシリアス味ある展開があるのだと思い込む傾向があった。

 だが、先々月号と言い、先月号と言い、そして今月号と言い、そこで待っていたのは、嘗てとは違う形になったとはいえ、その骨格は以前と何ら変わらない日常の雰囲気そのものであり、自分の運命にも大きく関わってくるような出来事を経ながらも、基本的な世界観は以前と変わらず日常を突き進んでいくその構成には、思わず感銘を受けるものがあった。何と言うか、これこそ「変化と不変」の表れだと思うには十分な訳だが、幾多の変化を遂げつつも、根底の部分は初期の頃から殆ど一貫している姿が良いと思うのである。

 ところでごちうさが人間物語的な側面を持っていると思い立った背景には、やはりと言うか何と言うか、私が大好きなジョジョの影響がもろに存在している。ジョジョ「過酷な運命を知りつつも、怯まず立ち向かう」「自分で進むべき道を切り開く」と言った側面が作中を通して描かれる事が多いのだが、ごちうさにおいても同じ事が言えると思う事が多く、とりわけ最近ではごちうさ「自分の運命を受け容れた上で、皆で一緒に乗り越えていく事」「進むべき道を皆と一緒に切り開いていく」と言った場面がちょくちょくある為、もろにジョジョの影響が表れるのである。因みにそういった形でジョジョに影響される過程の中でも、3部「スターダストクルセイダース」と5部「黄金の風」の影響は特に大きく、私が一番好きな4部「ダイヤモンドは砕けない」は意外にもその次と言うのは内緒である。

 私が言いたい事をとにかく詰め込んだ結果、我ながら「何が言いたいのか分からない」と思われる可能性が大いにある題になってしまったが、兎にも角にも「幾多のシリアス展開があっても、ごちうさの日常の根幹は受け継がれていると私自身感じている」と理解して貰えれば幸いである。

 

3.あとがき

 以上がきらま2023年5月号掲載のごちうさを読んだ感想・考察である。今回はとにかく恵ちゃんと映月ちゃんが魅せた、華やかなまでに輝かしくも熱いダンスバトルが印象的であり、なまじ普段争い事とは全く縁を感じさせないまでにおっとりした2人なので、その意味では所謂ギャップ萌えなるものもある気はするが、残念ながら(?)私はその意味では捉えていない。まぁ、それで言うと麻耶ちゃんと夏明ちゃんが見せていた嫉妬に関しても、ガッツリ深く捉えていたのかと言えばそうでもなく、単純に「仲が良い2人であり、大事な人を本当に大事に想っているんだなぁ」と思った位である。それでも十分だと思うが。

 今月号も先月号、先々月号に引き続いて新しい雰囲気はありつつも、大筋は嘗ての様な日常的な感触を思わせるものであり、ある意味それが原作12巻範囲における既定路線と言われても、今の所は殆ど違和感はない。尤も、原作10巻及び原作11巻を見るに、このまま新たな日常の雰囲気だけで突っ走り続けるとはとても思えず、何時かはまたシリアス展開が待っているのだと思ってやまないが、今は取り敢えずこの新たなる日常を謳歌するのが賢明だと言えよう。

 今回も最近の記事の例に漏れず、要所でジョジョの影響を醸し出している場面が多かったが、今回はそれ以上に「書くネタが思い付かなくて困る」となってしまった場面がかなり多かった。ただ、こうなったのはある意味必然の理で、抑々この手の記事を2年近くも毎月の様に書いていれば、何時かはこうなる事は火を見るよりも明らかだったし、何より以前から少しずつ読むマンガを増やしてきた事により、マンガに対するタスクやウエイトが以前より大きく変化した為、何時はこうなるとは薄々でも分かっていた。なので、この様な事態になった事に驚きも焦りも、ましてや後悔や迷いも特段無かった。ただ「来たるべき運命が導かれる様にしてやってきた」*5と言うだけの話である。

 こんな感じでごちうさにおいてもジョジョの影響下にある様な思想が張り巡らされているが、実の所これでもまだ全然可愛い方で、きらら本誌で連載されている「星屑テレパス」や、嘗てフォワードで連載されていた「がっこうぐらし!」等は、ジョジョの影響が更に大きく顕れており、特に前者に至っては3巻を読んだ際に、自分の中で勝手ながらもジョジョに通ずるものを感じた程であり、百合作品のつもりで見た私の心を一気に書き換えてしまった位である。勿論、今でも星テレの百合描写には良さを覚えているし、百合路線で見ても相当に魅力的な作品なのだが、私としてはそれ以上に「それぞれの特性や行動をめぐって衝突する事はあっても、最後は共に歩みを進めていく姿」に、ジョジョとの共通点を見いだし、思わず感銘を受けたのである。

 今回は今までにない程に書くネタに苦労した為、全体的にフリーダムな構成となり、書きたい事をとにかく自由に書き出している。その為に内容が読み取りにくかったり、全体的に深い所まで掘れていない節が否めないが、どんなに苦節した状況でも、書き続ける事に意味があると思っているので、無理矢理にでも完成にもって行った所存である。その為、書き始め自体は遅かったが、書くスピードはかなり早かったので、その意味では良かったと考えている事をもって、この感想・考察記事の締めとしたい。

 

おまけ

今回の文量は全て合わせてのべ400字詰め原稿用紙24枚分である。今回は多忙気味な事に加えて、書く項目の捻出にもかなり苦労した為、図らずもコンパクトな事になっているが、書き続けているだけ及第点と言う事で、そこはあしからず。

*1:因みにそれを見た麻耶ちゃんと夏明ちゃんは、思わず2人の熱気に圧倒されていた。

*2:ただ、傍から見ると言葉は悪くなるが、正直「どっちもどっちな泥仕合」と思わざるを得ない事もしばしばだが、それもある意味本当は仲が良く、息も良く合う証拠なのだろう。

*3:プログレを代表するバンド名にして、第5部「黄金の風」のラスボス「ディアボロ」のスタンド名。スタンドに関しては、未来予知に加えて時を消し飛ばす事ができると言う、ラスボスに相応しい絶大な能力を持つ。

*4:個人的には「やきもちを焼く」と言った方が、可愛げのある印象があって良いと思うのだが、麻耶ちゃんと夏明ちゃんはともかく、メグエルの2人は明らかに心情が複雑そうであった為、マイナスイメージがありながらもより的確な表現として「嫉妬」としている。

*5:勿論、この発想もジョジョ5部「黄金の風」及び6部「ストーンオーシャン」の影響が多分にある。