こんにちは。2023年になって最初のきらまが発売された訳ですが、最近になって多数のきららマンガやジョジョの奇妙な冒険を読んでいる現状を鑑みると、ほぼごちうさ一本に心血を注いでいた頃の様にはいかないと痛感しております。だからと言ってごちうさファンを辞める事は現時点では考えていませんが、以前に比べると確実にごちうさとの向き合い方が変わっているのも事実で、最近は良くも悪くも無理に噛り付いてまで追う事も無いと思っているんですよね。尤も、毎月の様にきらまをキッチリ読んでいる人が言う事ではない気はしますけど、昔と違って今はごちうさ以外にも読みたいきらま作品があるので、何もごちうさだけの為にきらまを読んでいる訳では無いと言えばどうでしょうか。説得力は相変わらずそこまで上がりはしないでしょうけど。
ただ、昔の様にガッツリ追う精神はもう無いと言っても、マイペース且つゆったりとごちうさを追いかけたいと思う気持ちは依然として強くあって、私としてもこれから私生活が更に多忙になる事も鑑みれば、ここで思い切ってごちうさとの向き合い方を変えてしまうのも一興かと考えています。と言う事で、以前の様に文量をガッツリ持たせたごちうさ感想・考察ブログ記事を執筆する機会は少なくなると思いますが、ブログ記事を書く事自体は継続するつもりでいるので、何卒宜しくお願い致します。
さて、ここからは本題のまんがタイムきららMAX2023年3月号掲載のごちうさ感想・考察といきたいと思います。今回はカフェイン酔いを起こしやすい体質の紗路ちゃんが、青山さんから提示された催眠療法を使ってカフェイン酔いを克服しようとするお話で、故に波乱続きだった最近のごちうさの中ではコメディリリーフ*1的な立ち位置にあたる印象がありますが、内容自体はとても印象に残るものなので、今回からは書き方の方針を変えながらも、率直な想いを書き出したいと思います。
※注意※
原作及び原作10巻以降のネタバレを含むものなので、その辺りをご了解お願い致します。また、ここで書き出した推察や考察は個人的な見解です。
1.はじめに
今回のお話はこれまでも物語において度々登場した要素であり、仲間内の間でも半ば語り種とされている「紗路ちゃんのカフェイン酔いを起こしやすい体質」に着眼点が置かれており、テーマからしてシリアス展開にはならなそうな感触がある通り、本編も近年シリアス味が強くなっているごちうさの中では、嘗てのごちうさに近いほのぼのした雰囲気となっている。その為、割にコメディリリーフの役割をも担っている印象が強い。
今月号の扉絵は、割にイケイケの華奢な格好をした紗路ちゃんが、何処かふくれっ面をしながらこちらを見据えていると言うもので、背面には大型のぬいぐるみがあるのも特徴的である。また、私自身紗路ちゃんのポージングを見て、ジョジョのスピンオフ作品「岸部露伴は動かない」の掲載にあたってウルジャン(ウルトラジャンプ)の表紙に掲載された、ジョジョの奇妙な冒険第4部「ダイヤモンドは砕けない」にて登場する漫画家、岸辺露伴の表紙姿*2を思い浮かべており、それをして「今回紗路ちゃんが見せたポージング、どこか岸辺露伴のポージングを思い浮かべるものだな」と思ったものである。尚、ごちうさとジョジョ共に知っている人なら分かる通り、2人の性格は全くもって異なっている。
今月号はシリアス展開が強く現れる事もある近年のごちうさの中では、嘗てのごちうさの主流だったほのぼのした雰囲気が主流となっていると言う、今となってはある意味稀有な回であり、冷静に考えると中々に恐ろしい要素も無い訳では無いが、それは深読みをした場合のみであり、普通に受け取ればさほど暗い印象は持たないつくりになっていたと認識している。たまに思うのだが、深読みする事も大切だと思う一方で、純粋に額面通り受け取るだけの素直な読み方を実践する事も大切だと感じており、深読みを意識し過ぎたあまり、最早マンガの純粋な楽しみ方が良く分からなくなってきた時にはかなり効く。そんな感じで、このコメディリリーフ色の強い回を純粋に楽しむのも悪くないかも知れない。
2.購読した感想・考察
今月の内容に対する感想・考察
まずは「今月号の内容の中で特に深掘りしたいと思った内容」から書き出したい。今回からは書き方の方針を変えて、内容のコンパクト化の為にもいきなり考察を始めたいと思う。
催眠療法の効果
まずは今月号において重要な要素でもある「催眠療法」について、紗路ちゃんのカフェイン酔い事情と絡めながら考察してみたい。抑々催眠療法はラビットハウスにお邪魔していた青山さんが提案したものであり、方法としては作中を見る限り対象の人物に催眠をかけ、その人物の自己暗示を促す形で深層意識を引き出し、その人が普段抑え付けているものを解放させるものらしいが、私も催眠療法に対しては、ここまで分析をしておいてなお紗路ちゃん同様胡散臭いのが否めないと思っており、結局の所私とてきちんと(?)疑り深い所があるんだと思ってしまう次第である。尤も、私とて実際にかけられた時には多分満更でもない反応をするのだろうが。
そんな催眠療法だが、少なくとも作中では効果は抜群(本当は心愛ちゃんを除いて演技)であり、特に心愛ちゃんが尋常じゃないまでの効果を示しており、客観的に見ると効き過ぎて最早怖くなってくるレベルである。そして、あれだけ催眠療法に対して疑りにかかっていた紗路ちゃんも、実際に催眠をかけられるといともたやすくかかってしまっており、普段なら僅かなカフェイン成分でもカフェイン酔いを引き起こしてしまう彼女だが、催眠を掛けられた状態に限っては、カフェイン成分がかなり濃いとされるエスプレッソを摂取してもまるで平気な顔をしていた*3ので、思わず何とあっけないとなるが、ここで気になるのは「紗路ちゃんは何故にカフェイン酔いを急に克服したいと思い立ったのか」と言う事である。
紗路ちゃんはカフェイン酔いを起こしやすい体質である事は原作初期から言われてきた事だが、一方で言い換えれば「カフェインにさえ気を付けていれば大きな問題はない事」でもある。その為、紗路ちゃん本人は誤ってカフェインハイテンションにならない様に対策を講じており、実際に不慮の事態によってカフェイン酔いを起こしてしまう*4事以外に大きな問題は起こっていなった為、紗路ちゃんとしても抜本的にどうにかしようと表明した事は無かった。それが今月号になっていきなり「カフェイン酔いをどうにかしたい」と本人から言い出してきたので、何故いきなりそうなったとなるのはある意味当然の宿命だと思うが、その理由は端的に言えば「カフェイン酔いを引き起こす事で、幼馴染たる千夜の邪魔になり続ける事を懸念したため」と言う、普段は中々に素直になれないが、実はかなりの幼馴染想いひいては友達想いと言う、お人好しな紗路ちゃんらしい理由であり、結果的には催眠療法は一過性なものに終わり、抑々紗路ちゃんが自らカフェインを摂取せざるを得ない要因になっていた「夜勉強中に襲い掛かる眠気」の原因も、紗路ちゃんが行っていたリラックス療法が、図らずも安眠誘発効果を持つものばかりだったと言う、完全に紗路ちゃんが赤っ恥をかいてしまう結果に終わってしまった訳だが、幼馴染である千夜ちゃんの事を思って、自身のカフェイン酔いを起こしやすい体質をどうにかしたいと思う気持ちは本物だったと思う。
因みに夜に勉強をしていたのは、紗路ちゃんと千夜ちゃん共にほぼ間違いなく「今後の進路に向けて」と思われ、千夜ちゃんは特に明言されていないので詳しくは分からないが、少なくとも紗路ちゃんは都会の国立大学に行くと言う明確な進路目標があるので、その受験勉強だと考えれば合点がいく。尚、紗路ちゃん自身はカフェインに酔っても勉学には支障はないそうで、ある意味一番凄いと思える事実だが、千夜ちゃんにはかなりの影響があるそうで、それを何とか是正する為にもカフェイン酔いの克服を決意した辺り、ここでも紗路ちゃんが実はかなりのお人好しである事が窺える様である。尤も、本人は「千夜が路頭に迷う結果になると困るから」等と言って、千夜ちゃんにはその本心を簡単には明かさないのだろうが、それは照れくさいからと言うものである。
尚、今月号の千夜シャロを見て、千夜シャロは今までどちらかと言えば紗路ちゃんの方が、千夜ちゃんに対して何かと語気荒めに強く出る事が多い印象があったが、実際には千夜ちゃんも紗路ちゃんに負けじ(?)と、紗路ちゃんに対して中々に強烈な当たりをかましていた事に気付かされ、特に「本来両手をたたけば催眠は解ける筈なのに、何故か紗路ちゃんに対して普通に強烈な張り手打ちをする千夜ちゃん」や「紗路ちゃんのカフェイン酔いの事を、マイルドながらも本人めがけて辛辣な言葉を飛ばす千夜ちゃん」を見た時は、後に「なるほど千夜シャロはお互いに信頼関係があるからこそ、お互いに結構容赦ない事もできる(=多少過激でも心では許せる)んだな」と、良いんだか悪いんだか自分でも良くは分からない感想を抱いたが、何れにしても千夜シャロは本気でぶつかっていける程にお互いを信頼している上、それ故に仲もとても良好と言う事なのだろう。
催眠療法から見える「信頼」
次に今月号の重要要素たる「催眠療法」から見えてきた「信頼」について考察してみたい。抑々この様な事を思い立ったのは、催眠術と言うのは信頼関係があるから成立すると千夜ちゃんが言及していたのを見て、青山さんの催眠療法と深層心理の関係の言及と合わせて「催眠術から人に対する信頼度が見えてくるのって、ちょっと怖いな......。」と思ったからで、この発想をめぐっては今月号終盤で判明した「少なくとも心愛ちゃん以外は催眠術にかかるフリをしていた」と言う事実も相まって、多少なりとも恐ろしさに駆られたものだが、時間を空けて冷静になってみると、過剰なまでに恐ろしさを感じるものでも無いと思えているので、ここで書く事はちょっと大袈裟に聞こえるかもしれないが、そこは留意して欲しい。
抑々催眠術からその人をいかに信頼しているのか読み解ける事が怖いのがどういう事かと言えば、これは千夜ちゃんと青山さんの言及を組み合わせて、結果的に「催眠術はかけてくる相手に対して、自分はどの様な事をされても良いと言う信頼が無ければ成り立たない」と言う事実そのものを指しており、もっと簡略化すると「相手を信頼していないと催眠はかからない」と言う訳である。つまり催眠がかからないと言うのは、そのまま催眠をかけてきた人に対する信頼が今一つ足りない事を図らずも証明する格好になってしまう訳であり、故に催眠が一種の「信頼測定」にもなりかねない所に怖さを抱いてしまうのである。
また、今月号終盤で明かされた「本当に催眠術にかかっていた心愛ちゃん以外は全員催眠の演技をしていた事実」も、完全に狐につままれた気分で正直「ええぇ......。」となってしまったものであり、全くもって訳が分からなかったものである。ただ、良く考えれば「演技し合えるのも確かな信頼関係があってこそ」とは言えるし、抑々催眠の演技をしたのもそう言ったものに対して誰よりも疑り深い紗路ちゃんに対して、確かな催眠効果を持たせる為と言う名目があったので、これに関しては紗路ちゃんが催眠にかかった事で、何だかんだ言っても紗路ちゃんは友達や幼馴染の事を心から信頼している事の証になったと思えば、紗路ちゃん共々私も見事に騙されてしまった事も別に悪い気はしない。尤も、そんな形で何度も騙され続けたら何れは人間不信に陥りかねないのも事実なので、何度も繰り返すのは止めて欲しい所である。
こんな感じで紗路ちゃん共々催眠術にはかなり振り回されているが、総じて言えば千夜ちゃんの言及をもって「催眠術は信頼関係が大事。それ故に催眠術にかかる事は、その人を信頼している事の証」だと思えており、それをして信頼があるのを良い事に催眠術を悪用される恐ろしさはあるものの、心愛ちゃん達に限ってかけがえのない信頼を使って、催眠術をもってかけがえのない友達を自分の私利私欲の為に欺く事はしないと信じているので、私としては催眠術の下りから皆の信頼関係が見えただけでも満足である。
ところで唯一本当に催眠術にかかった様相を見せていた心愛ちゃんだが、1回目の青山さんの催眠術に関しては、理世ちゃんも言及している様に心愛ちゃんの慢心が入り込んでいる可能性が否めない為、本当なのかは若干怪しいものがあり、これに関しては他の皆と同様半分演技でかかった可能性がある。ただ、2回目の智乃ちゃんがかけた催眠術に関しては、演技と呼ぶには些か無理があるレベルでかかっていた為、こちらは本当にかかっていたと考えて間違いないと言え、ここに先程の理論を定義付けすると、心愛ちゃんは智乃ちゃんに対して格別の信頼を置いている事になる訳だが、これに関しては私自身「ある種究極の理想形」と称しつつも、心愛ちゃんなら智乃ちゃんに対して「この人からなら何をされても構わない」と思うまでの信頼を置いている可能性も十分に考えられる為、もしこれが本当なら想像を絶する凄さである。無論、それを信じるか信じないかは各々次第だが、ココチノの関係性を鑑みると、この様な想像もできる事は純粋に凄い事だと思う。
但し、ココチノの催眠術から見えてきた確固たる関係性には懸念点が一つ存在しており、それは意図的に伏せられていた「智乃ちゃんが心愛ちゃんにかけようとした催眠の内容」である。これに関しては「分からない」が故に、現時点ではどんなに考えても正直仕方が無いし、抑々催眠は対象者が深層心理で望んでいない事はかけられない*5と青山さんが言及しているので、少なくとも「人が決して望んでいない事を、催眠を悪用する形で無理矢理強要させる」と言う物騒な事にはならない事を思えば、そこまで気を揉む必要もないだろうが、伏せられた催眠の内容は、言い換えれば「智乃ちゃんが心愛ちゃんに対して、自分のエゴである事を承知の上で、出来るなら心愛ちゃんにはこうして欲しいと願っている事」でもある為、この出来事はそう易々とスルーできる事では無いだろう。
今回の内容について思う事
ここからは主観的な展望や想いを強めた内容を書き出したい。今回からは以前よりもコンパクトにまとめると言う事で、ここでも簡略的にまとめる方針で行く所存なので、何卒宜しくお願いする。
コメディリリーフ色の強い展開
まずは今月号の印象について書き出したい。今月号はとにかくコメディリリーフ的な性格を持つお話と言う認識が強くあり、お話の雰囲気自体は原作8巻以前の主流とも言えるほのぼのテイストなので、嘗てのごちうさを知っている人からすれば慣れ親しんだ光景ではある。ただ、近年のごちうさとりわけ原作9巻以降は、皆の精神的な成長を表す傾向にある事と、更なる成長の為に背負わなければならない哀しみを意識した場面も少なくない*6事から、往々にしてシリアス展開になる事も多く、中には客観的に見てもえげつないと思うまでに重い展開もあったので、今月号も全てが明るい展開になっている訳では無いとは言え、少なくとも思わず「あっ!」となる程のシリアス描写は無かったので、ここ最近劇的な展開が連続していた中での純粋なほのぼの回と言う事で、コメディリリーフ的な立場にあるお話と捉えた所存である。
また、先月号と同様に今月号も中々にシュールだと思う展開が多く、思わず「何故にそうなるの!?」となったり「それはいくら何でも鬼畜な所業だろ」となったりと、相変わらず常人離れした感覚を持つ人物(主に千夜ちゃん)から繰り出される独特の世界観はびっくりものだが、ごちうさの楽しみ方として「常人の感覚では思い付かない角度から殴り込まれる突飛なボケを、どの様にしてツッコむのかを考えたり見たりする」と言うのがあると思っており、この様に楽しむにはちょっとコツがいるが、ハマればすごく楽しいものである。尤も、私とてその手の笑いも好きとは言え、結局は声に出してゲラゲラ笑ってしまう様な展開が一番好きなのはご愛嬌。シュールな笑いと言うのは、中々に頭を使うものなので......。
因みに今月号がコメディリリーフ的な立ち位置にあったお話と言う事で、作品全体においてコメディリリーフの役割を持つ事が多いキャラは誰かについても少し考えており、元気いっぱいな麻耶ちゃんや、暗い気分を吹き飛ばしてくれる気概や発破の強さを持っている紗路ちゃんのイメージも湧いてくるが、ここはやはり明朗快活な心愛ちゃんが一番合っているだろうか。これがジョジョだったら1部から5部までなら大体は定められるのだが、ごちうさだと中々に難しい。理由は単純で、そういった考えをもって作品を読んだ事がほぼ皆無だから。今までやった事がないのをいきなり形にするのはやはり厳しいものがある。
紗路ちゃんが秘めし本心
次に今月号最後で明かされた紗路ちゃんが秘めている本心について書き出したい。これは今月号終盤にて幼馴染の千夜ちゃんが、ネタバラシをした後も尚催眠を使って紗路ちゃんの心を揺さぶろうとした際に、表立ってこそ「意地でも催眠にはかかってあげない!」と言わんばかりに、普段の雰囲気からは凡そ信じられないまでに子供っぽさ全開であからさまに拒絶していたが、本当は催眠とか関係なく千夜ちゃんの事をちゃんと想っている事が良く分かる局面を見て強く思った概念であり、要するに紗路ちゃんが千夜ちゃんの事を凄く大切に想っている事の表れと言う訳である。
千夜シャロは個人的なイメージとして、実は2人共にお互いをきちんと想っている本心を明かすのが照れくさいと思っているタチと言う認識が強く、ここは智乃ちゃんに対する愛情を明け透けにしている心愛ちゃんもといココチノとは大違い*7な訳だが、それ故に千夜シャロの2人は何かとお互いに意見のぶつけ合いになる印象があり、前述の様にお互い当たりが中々に強い印象もあるのだが、その本心は今月号終盤で紗路ちゃんがぼやいた様に「お互いに相手の事をきちんと想った良好な関係性」となっており、今月号では無かったが、千夜ちゃんも紗路ちゃんの事は特段頼りにしている様子は印象的である。
その様な事情から、今月号終盤に明かされた紗路ちゃんの本心を見て「紗路ちゃんとしては別に催眠関係なく幼馴染たる千夜ちゃんの事を信頼し、好きでいるんだな」と思ったものであり、幼馴染としても、友達としても良好な関係性にある紗路ちゃんと千夜ちゃんは素晴らしいと思う。尤も、そんな友好的な幼馴染が、普段は何かにつけて弄り倒そうとしてにべにもなく拒絶されたり、訳も分からないままに振り回されて、思わず激情的になってしまったりしている様は正に奇妙な光景だが、そんな所も含めて千夜シャロの良さと言える。
余談だが、紗路ちゃんの「普段は冷静だが、振り回されたりボケられたりすると途端に激情的な側面が発現する」*8と言う一面を見ると、ジョジョ好きの私としては3部主人公の空条承太郎や、4部主人公の東方仗助を思い浮かべる。何と言うか、普段は冷静沈着なのに意外と感情に駆られやすい所(つまり激情家)や、穏やかそうでいて実情はかなりキレやすい所がそう思わせるのだ。尤も、かく言う私も普段は温厚且つ寛容だが、実の所どちらかと言えば頭に血が上りやすい所があるのは自覚しているので、全然人の事言えたタチではないのだが、世の中「人の振り見て我が振り直せ」と言うので、自戒の為と思えば結構有用ではある。
3.あとがき
以上がきらま2023年3月号掲載のごちうさを読んだ感想・考察である。今回は前回までとは異なり、多数のきららマンガやジョジョを読んでいる現状や、最近になって良くも悪くも必死に噛り付くより、少し余裕をもってごちうさ好きであり続けていた方が効率的且つ合理的だと思う様になった事を鑑みて、思い切って内容を一気にコンパクトにした所存だが、今月号は嘗ての日常的な雰囲気を強く汲む内容であった為、抑々論として書くテーマを見出す事自体かなり難しかったので、結果的に丁度良いタイミングでの方針転換だったと思っている。
今月号はとにかくコメディリリーフとしての印象が強く、何かとシリアスな雰囲気になる事も少なくなかった近年のごちうさにおいて、若干のブラックユーモアを含みつつも、気軽に楽しむ事ができるテイストになっていたのは特筆すべき点である。また、催眠術を使って紗路ちゃんのカフェイン酔いをどうにかしようとしたり、催眠術からラビットハウスがカオスな雰囲気になったりと、突飛且つ奇天烈な要素が満載なのも特徴的で、これに関しては先月号にも似たような展開があったが、今月号も正直全くもって訳が分からないシュールな展開が登場してくるとは、まったく恐れ入ったものである。
因みに私自身最近はごちうさにおいて道理も訳も分からない展開が出てきたら、素直に「なんか良く分からないけど、楽しそうなら良いか」と、最早その訳の分からないのが何なのかを考えるのは諦めている節があり、理由としては仮にもし長い目で見れば後に活きる展開だったとしても、現時点ではどうやっても訳が分からない事を真面目に考えても、有益な答えが出る可能性はほぼ皆無だからである。なので、訳の分からない事に神経を無駄に磨り減らす位なら、いっそ雰囲気重視で楽しんでしまった方がマンガとしても楽しめるし、時間も精神も下手に磨り切られる事も無いと言う事で、上記の様な手段を採っている訳である。
また、今月号のきらま発売前にジョジョ第4部「ダイヤモンドは砕けない」のアニメ版を最終話まで一気に視聴していた事と、きらま発売前後にジョジョ第5部「黄金の風」の単行本を遂に読み始めた事*9から、今月号のごちうさ感想・考察もジョジョで培った価値観の影響を多分に受けており、催眠術から見い出した「信頼」と、今月号全体の雰囲気として提示した「コメディリリーフ」と言うのは、どちらもジョジョから見い出したものである。これを見れば分かる通り、私は完全にジョジョに魅せられた人間であり、今後もその影響は更に強まっていくだろうが、他方できららマンガも続々と読み進めているし、その中には「がっこうぐらし!」や「星屑テレパス」の様に、ただでさえ興味があった中でジョジョを読んでいた為により深く好きと言う感情を持ったマンガもあるし、何より今でもごちうさへの情熱は決して無くなってはいないので、個人的には全然大丈夫である。
今回からは前回までと比較して内容を一気にコンパクト化した上で、書く内容もゆったりとした感触で書き連ねる事を意識してみたが、これもこの先長くごちうさ感想・考察を書き続けるための策である事をもって、この感想・考察記事の締めとしたい。
おまけ
今回の文量は全て合わせてのべ400字詰め原稿用紙25枚分である。今回からは内容のコンパクト化を意識している為、過去の記事と比べても一気に文量を少なくしたが、これでも相当な文量になるのだから驚きものである。
*1:シリアス展開若しくは暗い雰囲気の中で、暗くなり過ぎない様に明るい雰囲気をもたらしてくれる登場人物や展開の事。この言葉もジョジョを調べていく内に知ったものである。
*2:因みに第4部の主人公「東方仗助」と「岸部露伴」の2人は、作中においては馬が全然合わない場面が度々描かれている。と言うのも、2人の間は出逢い初めからして因縁を生んでしまう事があり、その後も因縁を深めてしまう出来事があったからである。
*3:その後千夜ちゃんの荒療治によって催眠が解かれた事により、無事に(?)カフェインハイテンション状態になってしまうが。
*4:多くは気付かずに摂取してしまうケースだが、時にはこの特性を逆手に取る(或いは利用される)事もしばしば。
*5:つまり「何でもありではない」と言う事。
*6:先月号及び先々月号が顕著。
*7:尤も、今となってはその心愛ちゃんが実は本心を誰よりもひた隠しにしている節が見受けられるが。
*8:何気ないボケに対して思わず感情を思いっ切り乗せたツッコミを放ったり、普段言わない事をその場の感情任せに言ってしまったりする事が少なくない等。要は喜怒哀楽の表現が実は誰よりも激しいと言う事。
*9:現時点で単行本53巻まで到達。